コントロールアンプとパワーアンプの接続ケーブルは、どうしても長くなりがちです。トランス結合にすると、増幅回路間が完全に絶縁でき容易に平衡伝送路を実現でき、伝送路のインピーダンスも低くできます。低インピーダンスの平衡伝送により、ノイズの影響を小さくでき、高域の減衰も気にならなくなります。
詳細は、UV-211真空管パワーアンプをご覧ください。
このパワーアンプの入力トランスを、アンプセレクターに内蔵し3台のアンプで共用できるようにしました。パワーアンプの構成が非常にシンプルになります。回路図の左側にある位相反転スイッチは、あまり意味がありません。マルチアンプシステムとする場合は効果があるかも知れません。
接続には ITTCANNONのXLRコネクターを採用しました。トランスは、ノグチFM-600-50KCTです。
3台のパワーアンプと3組のスピーカーの接続を選択できます。ただし、切り替え操作はアンプの電源をOFFにして行う必要があります。
一般にアンプのスピーカー端子は、左右それぞれに 0,4,8,16Ωと4個の端子があります。これに左右4本のスピーカーへのケーブルを接続するのは、メンテナンス時に結構厄介です。プロオーディオで使用されている ノイトリックのスピコンspeakONを採用しました。4極のものに左右4本のケーブルを接続すると結線ミスも防げて便利です。スピーカーへの接続にもこのスピコンを使用します。
アンプの背面にコネクターを設けると、コネクターが出っ張り背後に相当なスペースが必要になります。アンプにはコネクターを設けず、ケーブルの直出しとし、コネクターでセレクターに接続します。パワーアンプ、スピーカーからのケーブルはこのセレクターに集まります。セレクターはパワーアンプに載せます。セレクターの幅、奥行きはパワーアンプと同じ430mmx250mmで、後ろ半分をコネクタースペースにしているので、配線が大変すっきりとします。
パワーアンプ2台とスピーカー2組を切り替えて使用していますが、セレクターは大変便利です。パワーアンプの入力トランスをセレクターに内蔵したことによりアンプが大変シンプルにできました。また、予想外のことですが、コネクターが全てセレクターに並んでいるので、改造などでコネクターを外して移動した後、接続を戻そうとするときに、接続箇所に悩むことがあまりありません。