"3A5真空管コントロールアンプ"と“UV-211送信管パワーアンプ"は、600Ω平衡伝送路で接続しています。これとは別に、16Ω出力の“6922ドライバーアンプ"は、計画中の16Ω入力のパワーアンプと16Ω平衡伝送路での接続を予定しています。平衡伝送路を共用するために、送り出し側と受け側にセレクターを設けます。また相互に接続ができるように送り出し側にマッチングトランスを設け、16Ωと600Ωとの双方向変換ができるようにします。
16Ω出力の6922ドライバーアンプを600Ω入力のUV211パワーアンプに直接接続することは可能です。ただ、この場合√(16/600)=-16dBのゲインロスとなります。トランスでインピーダンスをマッチングさせるとこのゲインロスがなくなり、増幅段数の削減など回路のシンプル化が狙えます。
ラインブリッジ(双方向変換セレクター)の回路の概要と回路図を示します。マッチングトランスには、シングル用の出力トランス春日KA-1280を使用しています。
ケースの制作工程を少し紹介します。2mm厚のアルミ板と60x30x3mmのアルミチャンネルを使用します。今回は、横山テクノ"https://www.yokoyama-techno.net/detail/44.html"で切断品を購入しました。
穴などを加工します。大きな穴はステップドリルとリーマで広げます。アルミチャンネルは厚さが3mmあるので、リーマで広げるのは、かなり大変です。
ボール盤は持っていないので精度はあまりよくないです。仮組み立てをして修正しながら加工します。
塗装面は、サンドペーパーで磨いて汚れや傷を取り除いておきます。アルミの接触面は導電性を保つために、養生テープでマスキングしプライマーを塗布し、いったん乾燥します。下地処理の手を抜くと塗装がはがれてしまいます。塗料は黒の艶消しに決めています。塗料のメーカーが変わっても色の違いが少ないです。塗料を塗布してケースは完成です。
ケースにスイッチやトランスを取り付けて配線すれば完成です。
マッチングトランスが余分に介在することになりますが、気になるような影響はないように感じます。600Ωと16Ωの平衡伝送路が使用できると、いろんな構成のパワーアンプができそうに思います。
半導体のアンプでは元々出力が低インピーダンスで、インピーダンスにこだわることはないのかも知れませんが、真空管では出力インピーダンスを低くすることが課題の一つだと思います。16Ωの平衡伝送路はあまり使われていないようですが、色々試してみたいと思います。